自動車趣味から初心者まで、女性のための運転術〜運転美人になろう〜

 

 家の近くなどの塀のところがあったら
実際にそこにぎりぎりまで寄せてみるのもいいと思います。

 その時、前の練習を参考にすることはもちろんですが、
一番出っ張ってるドアミラーの端をよく見てぎりぎりまで寄せてみてください。
何度もやってみて、どれだけぎりぎりまで行けるか挑戦してください。
降りて、どれだけ寄せられたか見ましょう。


 すごくギリギリまで寄せられましたか?
まだまだ余裕がありましたか?
何度も挑戦していると一発でギリギリに寄せられるようになります。


このときのちょっとしたアイディアを一つ。

もし割り箸のようなものがあったら、
テープなどでドアミラーからそとに10cm飛び出すようにして
ミラーに張り付けておきます。

こうやっておいて、割り箸の先が塀にこするまで寄せると
ギリギリ10cmまで寄せられたことになりますね。

そのときの塀の見え方をよく見て、その感じを憶えてください。
 壁際一杯に寄せて駐車する時、一発で決められたら、かっこいいですよね。


自動車趣味から初心者まで、女性のための運転術〜運転美人になろう〜

 
今度は左側のタイヤで同じことをやってみましょう。
こっちはちょっと難しいですが、要領は同じです。


 さて、次に線の無いところに板を置いて、
もう少し遠くから近づいて行って踏めるかどうかやってみましょう。

だんだん遠くから行って、左右どちらの前輪でも踏めるようになるのが目標です。これができるようになれば、車両感覚の基礎が出来上がりです。

 踏むのに使う板は、石でもなんでもいいのですが、
あまり丸いものだとタイヤの端で踏んだときに
ポンッと横にはじく危険があり、好ましくありません。

できるだけ平らなもので乗り越えたときにわかる程度の厚さは必要です。
かまぼこ板みたいなものがいいかな?


 それから、この練習は普段道を走っている時でもある程度で来ます。

 道を走っていると、路面にマンホールやもっと小さい水道のバルブなど
何か蓋がついているものや、キャッツアイのような突起物がありますね。

大きく車線をそれずに踏めそうな位置のものだったら、
それを踏みに行ってみるといいでしょう。

 それから、表面が凸凹になっているセンターライン、車線の区切りのライン。
これらは、踏みながら走ると「ブ〜ン」と音を立てますから、今その線上を
タイヤが走っているのがよくわかりますね。

 ちょっとした工事跡などの凸凹もいいですね。
何か落ちているもので安全そうなものがあればそれでもいいですね。
(何が安全かの判断はお任せします)

安全な交通の流れを乱さない範囲でやってみると結構ゲーム感覚で楽しいですよ。
 

 さあそれでは、ボディーの幅まで、感覚を広げて行きましょう。
やはり問題なのは左側の感覚でしょう。

道ばたの塀の近く、どこまで寄せられるか、
と言ったシチュエーションはよくありますね。
そのときに自信を持ってぎりぎりまで寄せられる感覚を身につけましょう。


 車を降りて、左の前に立ちましょう。
先ほど身につけたタイヤの位置、タイヤの真ん中からの線と、
ボディーの端、と言うか一番出っ張っているところはドアミラーですね。
そこまでの幅を見ます。

手を広げてその幅をはかって見ましょう。
ボディーはタイヤよりもそれだけ外側にあるわけです。

 できれば先ほどのタイヤの位置のようにボディーの端の位置の延長線を
路面に書いてみてください。
運転席からタイヤの位置の延長線と、ボディーの端の延長線を見ます。

 タイヤが通る位置はもうわかっていますね。
そこをタイヤが通るならそのボディーの分だけ障害物から内側を通れば
ボディーはこすらない、と言うわけです。


その4に続く

自動車趣味から初心者まで、女性のための運転術〜運転美人になろう〜

 車両感覚の続きです。


フェンダーの向こうからニュッと出た棒、そして目の前に伸びる線。

この二つが交わるところにタイヤがあるわけです。


 ボディーがスウーッと透明になって、
そこにタイヤが見えるところを想像してください。
右も左もです。


 運転席からみて、タイヤがどこにあるのかを把握できたと感じたら、
今度は、実際にやってみましょう。


何をって?前輪の位置を感じるんです。

どうやるんでしょう?


 まず、かまぼこ板ぐらいの大きさ厚さの板や石などを探してきます。

それをそれを先ほど引いた前輪から前に伸びる線の上に置きます。

まず右側からやってみましょうか。

 車を少し後ろに下げ、その板に向かって走り、右側の前輪で踏むんです。


どうですか??

踏んだ瞬間に「ゴトッ」と言う踏んだ感じが伝わってきましたか?

何回かやってみて確実に踏めるように練習してみてください。

目標の板が、スッとボンネットの下に消え、「ゴトッ」と言う感触と
自分が「ここで踏むっ」と思うタイミングが一致して
しかも確実に踏めればかなりわかって来た証拠。


その3に続きます。



自動車趣味から初心者まで、女性のための運転術〜運転美人になろう〜

  車両感覚が大事ってよく聞きますよね。

「あの人は車両感覚がいいから...」とか、
「車両感覚がいいから、狭い道でもすいすい行っちゃうし...」
なんて言いますね。


 じゃあ、車両感覚って何でしょう?

 私は、「自分の車のタイヤがどこにあり、
今、どこを通っていて、
その上のボディーはどこを通っているのか」
を把握する能力のことだと思います。


 人が、自分の体が通れるかどうかを判断する時、歩いて通れる、
つまり足を十分に置くスペースがあるかどうかをまず判断します。

その上で、それよりも広い体が通れるのかを判断しますよね。

ですから、それと同じに車もタイヤの位置を感覚的に掴んでおくと
ボディーの大きさを把握するのも簡単になります。



 では、その練習方法ですが、
もし空き地や広い駐車場、めったにクルマの来ない道路などが
家の近くにあった場合は、そこを利用してください。
もし無ければ自分のうちのガレージでもいいです。

 まず、止めた車の左右の前輪から、まっすぐ前に路面に線をひきます。
そして、棒を見つけて来てください。

左右の前輪の横、ホイールの中心からまっすぐ上に伸びるような線になるように
棒を置きます。
 上手く置けないときは、
テープなどでちょっとボディーに貼ってもいいかもしれません。

 そして、そのまま運転席に乗り、路面の線と棒を眺めてみてください。

フェンダーの向こうからニュッと出た棒、そして目の前に伸びる線。

この二つが交わるところにタイヤがあるわけです。


ここまで、とりあえずできるように考えておいてくださいね。

続きはまた今度。


自動車趣味から初心者まで、女性のための運転術〜運転美人になろう〜

 車には、基本的に3つのミラーが付いていて、
後方の様子が分かるようになっています。
この3つのミラーの使い方も、より効果的に使うことで
安全性を高めることができます。

 まず、ルームミラー。
バックミラー(英語では“Rear View Mirror”)とも言いますが、
車の真後ろを確認するものですね。
基本としては、やはりまっすぐ後ろに向けてリアウインドウの向こうがはっきり見えるように調整します。

 その時もちろんミラーは水平で、少し自分の方に向いていることになりますね。たまに、斜めに傾けてセットしているのを見かけますが、
何の意味も無いことはあなたならすぐにわかりますよね。

 もし、ミラーの右端に自分の頭が映っているのなら、
さらに効果を上げるために、もう少しだけ左に振ってみます(右ハンドルの場合)。

 もちろん真後ろが全部映る範囲で、です。
左の後ろドアの外がちょっとだけ映るはずです。
この場所は、左のサイドミラーからの死角になりますので
上手く映せると安心が増すと思います。

  もう一つ、意外と知られていないルームミラーの使い方です。
ミラーの下に、小さいレバーみたいなポッチが付いているのに
気がついているでしょうか?
気がついていなかった人はちょっと確かめてみてください。

 このレバー、動かしてみるとポンッとミラーが上に向きます。
これ、何かと言うと、
夜間、後ろの車のライトがまぶしいときに使うものなんです。

 ミラーが上を向くと中が暗いミラーになっていて、ヘッドライトの光がわかるけど眩しくない程度に見えるようになっているんです。


 さて、サイドミラー(ドアミラー)の使い方です。
サイドミラーは、斜め後方を確認するためのものです。
そして、これもできるだけ広い範囲が映っているに越したことはないですよね。
そして、映っているものと自分の車の距離感が掴めることも大事です。
この二つが十分に満たされるように調整します。

 まず、自分に近い側(右ハンドル車なら右側ですね)
のミラーから調整しましょう。
まず、鏡を内側に向けて自分の車のサイドが映るようにしてください。

 正しい運転姿勢をとった後、上下から調整しましょう。
鏡を上、または下に動かして映っている後ろの道路が
鏡のちょうど下半分になるようにします。

 次に横方向の調整ですが、
内側に向けたミラーをだんだんと外に向けて行きます。
そうすると、ミラーの端に映っていた自分の車のボディーが
だんだん狭くなって行き、消える瞬間に止めてください。
ミラーの端にボディ−が映っているかいないか、と言う位置です。

 同じ要領で、反対側も調整してください。
これが最もよく広い範囲と距離感を満たす位置です。

 3つのミラーが正しい運転姿勢で座った位置から
視線を走らせるだけでこのように映っていれば正解、と言うことです。


 さて、こうやって3つのミラーを見比べると、
映り方に差があることに気がつくと思います。

 鏡がルームミラーは平面鏡、サイドミラーは凸面鏡となっているからです。
平面鏡は正面を見ているときと同じ距離感で見ることができますが、
凸面鏡は遠くに見えます。

 ですから、サイドミラーに映ったものの距離感を把握しておく必要があります。これは、たびたび確かめて身につけておくと安心感が高まります。

 その方法ですが、簡単です。

 止まったまま、ミラーを見て、そこに映っているものを一つ決め、
実際に振り返って直接見て確認します。

そして、またミラーを見てどのように見えるか確認します。
また振り返って...とやってみてください。

「あそこにある、ああいうものが、こういう風に見えるのか。」
と、言うことを感じてください。

 そして、ミラーの映っている端を確認して、振り返ってみてください。
映っていないところがどこなのかよく確かめておいてください。

「車の死角はここです!」と、
上から見た車の図で示しているものはよくあります。
教習所の教科書にも書いてあったと思いますが、
自分の目で見て感じることが大切だと私は思います。

 これは、一回限りではなく、いろんな場所で思いついたらやってみてください。

たとえば、信号待ちになった時。
周りの車や道が走行状態に近い感じであるので非常に参考になると思います。
同様に、渋滞で止まってしまった時。
つらい渋滞もこんなところに生かしてください。
出先の駐車場や、路上の駐車のときなど、思いついたらどこでもです。

ただし、止まっているときに限定してお願いします。
 

自動車趣味から初心者まで、女性のための運転術〜運転美人になろう〜

 エアバッグが登場した頃、エアバッグ付きの車は
シートベルトをしなくても大丈夫と言うような話が聞かれたこともありました。
しかし、今でもそう思っている人が意外と多いようなのが気になります。

 シートベルトをしていないとエアバッグは効果を発揮できないばかりか、
けがを大きくする可能性もあります。

「えっ?まさか!」と思ったあなた、気をつけてくださいね。
なぜ、危険なのでしょう?

 まず、エアバッグは正面の衝突にしか対応していません
(最近はサイドエアバッグもありますが)なので、横から衝突された場合、
全く効果がないことになり(そもそも、開かないでしょう)、
あなたの体は、ドア、もしくは助手席の側に激しく飛ばされ、
全身を強く打つことになるのです。
サイドエアバッグがついていても自分の側のドアと反対側にぶつかられたら、
だめですね。

 そして、正面の衝突の場合でも危険なわけは、
肩ベルトが浮いていると危険な理由にちょっと似ています。

エアバッグは一定以上の速度で衝突した時(20Km/hぐらい)
シートベルトが押さえているあなたの体が
ハンドルやダッシュボードにぶつかる前に、
クッションとして働くよう開くタイミングやスピードが設定されています。

 つまり、膨らみきったエアバッグにあなたの体が
受け止められるようになっているんです。
あなたの体をエアバッグが受け止めるとすぐにエアバッグはしぼみ始めます。
ゴムまりのように跳ね返してしまわないようにです。

 これが、エアバッグの仕組みなんですが、
シートベルトをしていない場合どうなるのでしょう?

 衝突の瞬間、あなたの体は前に向かって飛び出そうとします。
シートベルトはそれを押さえようとしてくれるわけですが、
していないとぶつかった瞬間のスピードで(40Km/hなら40Km/hで)
飛び出します。

エアバッグに想定されているよりもかなり早く前に飛び出してしまうわけです。
そうすると、開いている途中のエアバッグにあなたの体は突っ込んで行くことになるわけです。

 エアバッグが開くスピードは時速200Km/hほどにもなります。
つまり、200Km/hで迫ってくるエアバッグの表面に
頭をひっぱたかれるわけです。
首などに重大な損傷を負うことになるのは想像に難くありません。

 シートに正しく腰掛け、正しくシートベルトを締める。
安全運転には大変重要なことであるのがおわかりいただけたでしょうか?


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5.シートベルトがたるんでいると
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 シートベルトが体に密着していないと、どんな不都合があるのでしょうか?
以前「シートベルトに殺される」とちょっと過激な言い方をしましたが、
実は大げさでもなんでもなく、けがを大きくしてしまい、
ひどい場合には死亡することもあるんです。

 まず、腰ベルトが緩い場合。サブマリン現象と呼ばれるものですが、
衝突した瞬間、人間の体は前に向かって飛び出します。
そのとき、ベルトが緩んでいると、シートから体が前にズルッとずれて行きます。
同時に、緩んでいたシートベルトもおなかにずり上がります。
それでも体は前に行こうとしますからおなかにシートベルトがあたり、
その下に潜り込むように体が移動します。

するとどうなるか?

 シートベルトがおなかをしごくように圧迫し、内臓破裂を起すのです。

想像できますか?ちょっと想像したくないことですね。

 肩ベルトが浮いている場合にも、問題があります。

肩が密着していれば、衝突の瞬間、ベルトがあなたの上半身をぴたっと押さえ、
シートベルトは伸びながら、ショックを和らげてくれます。
シートベルトは強い衝撃を受けると中の繊維が切れながら、
少しずつ伸びてショックを吸収してくれるようになっているんです。

 ここで、もし肩がベルトから浮いていたら、ベルトは衝突の瞬間、
あなたの体を押さえることができません。
そして、一瞬の後、猛スピードで飛び出してくるあなたの体は、
シートベルトに衝突することになります。
何か他の固いものにぶつかるよりはかなりましとはいえ、
かなりの衝撃でしょう。
肩や鎖骨を骨折することになるかもしれません。
さらには、正確にあなたの体を押さえられないシートベルトから
あなたの体はすり抜けて、ハンドルやダッシュボードに
顔をぶつけることになるかもしれません。

シートベルトは、正しく締めないとならないわけがおわかりになったでしょうか?

そんなにきちっと締めないと危ないのなら、
シートベルトしない方がいいんじゃないの?と思われたかもしれませんね?

 それでも、シートベルトはした方が遥かにあなたの命を守ってくれます。

シートベルトが無かったら、間違いなくハンドルやガラスに頭から衝突して、
さらには車外に放り出されて、頭を強く打って重傷、ひどければ即死です。

 万一ちょっとずれていて、内臓破裂がおこったとしても、
まだ元気になるチャンスがあります。
人間、頭を損傷するのが一番ヤバいですから。


 もう一つ、シートベルトをしない人に。

シートベルトは万一のためにするものです。
一種の保険です。
一万回乗るうち一回でもしなければ意味がありません。

こういうことを話すと、
「だって、今まで大丈夫だったよ」
なんて言う人がいるんです。

そんな時私は

「交通事故で死んだ人は、それまで交通事故で死んだことなんて無かったんだよ」

って答えることにしています。


自動車趣味から初心者まで、女性のための運転術〜運転美人になろう〜

 シートベルトの正しい締め方?そんなものあるの?と思ったあなた、
そう思うのも無理ありません。

 前回のポジションの話もそうですが、教習所では教えてくれませんでしたよね。
僕も教習所では教えてもらった記憶がありません(笑)
じゃあ、どこで習ったの?と言う話は、他のところで。

 で、シートベルトの正しい締め方です。

前回お話しした、正しいポジションで座った後、シートベルトをスルスルっと引き出します。
そして、バックルをキャッチャーにカチャっとはめます。

ここまでは、いつものことですね?

 そうしたら、腰にかかっているベルト、
これが腰骨に確実にかかるようにして、腰に密着するように
ちょっと引っ張って締めます。

おなかにかからないようにしてください。

腰ベルトはたるんでいては絶対にだめです。
ここがたるんでいると、万一のとき助からないばかりか、
シートベルトに殺される結果となります。(サブマリン現象)

 そして、肩ベルトですが、これも胸の真ん中と肩に密着するようにします。

このとき、ベルトが首に触っていたり、肩から浮いていたら、
ポジションがずれているせいかもしれません。

 正しいポジションならそのまま自然にまっすぐに掛ければ、
きちんと肩に密着するはずですが、
あわない場合はシートベルトが固定してあるセンターピラーのアンカー(右肩の上のところ)が
動かせるようになっている車なら、アンカーを上下に動かして調整します。

体が小さめな女性なら、下に下げることになると思います。

特に体の小さい方は、一番下にしてもまだ首にあたることがあるかもしれません。
そんな時はシートベルト用の肩パッド(カー用品店で売っています)を使うといいでしょう。

ちなみに肩とは、鎖骨より外側、腕の付け根のちょっと内側、の所です。

 もう一つ、忘れてはいけないのは、ヘッドレストの調整です。

ヘッドレストは動かせないものと調整可能なものがあります。
その辺りはあなたの車の取扱説明書を見てください。

 このヘッドレストと言うものは、頭を持たせかけて休めるものではなく、
後ろからの衝撃、追突されたような時に、頭の動きを制限して、首を守るためのものなのです。
ですからシートベルトと同じく正しく調整しましょう。

 正しい位置は、あなたの耳の高さに、ヘッドレストの中心がくるように高さを合わせればOKです。


 ちなみに、くるまのなかで一番危険な席はどこだと思われますか?
助手席?後部座席の真ん中?
正解は、シートベルトをしていない席です!

いまだに、後部座席ならシートベルトをしなくても大丈夫、と思っている人に時々出会い、
びっくりします。

確かに法律的には努力義務で罰則もありませんが、
後部座席だってシートベルトをしていなければ
運転席や助手席のシートバック(背もたれ)に激突しますし、
さらにはそれを飛び越えてフロントガラスに激突します。

前の席のシートバックに激突するとそこに座っている人にも大きなけがをさせます。
後ろの席でも必ずシートベルトをしてください。


 余談ですが、
ドライバーは衝突の瞬間グッと腕を突っ張れば大丈夫と言う人にも会ったことがあります。
でも、衝突の瞬間、人間の腕はどれくらいの衝撃に耐えられるのでしょうか?

一般に、時速7Km/h~8Km/h程度と言われています。
そんなもの?と思われたでしょうね。
本当に歩くようなスピードです。
こんなこともちょっと頭に入れておくと意識もすこし変わるかもしれません。

 シートベルトは万が一のためにするものです。
おそらくほとんどのシートベルトは役に立つこと無く生涯を終えます。
でも、役に立たずに済むのが一番というもの、それがシートベルトなんです。



自動車趣味から初心者まで、女性のための運転術〜運転美人になろう〜

 さて、背筋がシャンと伸びて、美しい姿勢で歩いている女性はエレガントですよね。
車を運転するときの姿勢もシャンとしているととてもエレガントに見えます。

 ところが、教習所で運転を習ったとき正しいポジション(運転姿勢)について、
詳しい説明があったでしょうか?私は、記憶にありません(笑)
 この話は、シートベルトの効果を最大に発揮させたり、いろいろと安全運転にも関わる話なので、
よく読んでください。


 まず、大事なことは、シートに深く腰掛けること。

シートバックは少し立ち目にして座面と背もたれの間にお尻をぎゅーっと押し込むような感じで
背中からお尻、腿の裏までシートに密着していないところが無いようにします。

少し、窮屈と感じるかもしれませんが、シートに体を密着させることが、まず大事なことになります。

これができている人が、実はなかなかいなく、
特に運転に慣れた人ほど、崩れている人が多いのです。


 次にペダルやハンドルとの位置の決め方です。

まず、ハンドルとの位置関係を決めます。

 片手で、ハンドルの一番上を持って軽く肘が曲がり、肩が背もたれから離れていない位置に
シートの前後位置を調整してください。

手でグッとハンドルを押しても腹筋に力が入らない位置、押した腕の肩を背もたれが支えてくれている、
と言う感じになる位置です。

 そして、その位置から、ブレーキペダルを踏んでみてください。
力一杯、満身の力を込めて踏んでも、膝が少し曲がるくらいになればOKです。

そのとき、腰をシートがグッと支えてくれているのを感じると思います。

 もう少しペダルが遠い方がいいかな?とか近い方がいいかな?と言う微調整は
シートを前に出したら背もたれを少し寝かす、またはシートを下げたら背もたれを少し起す、
というようにして、ハンドルとの位置関係が変わらないようにします。

 最近の車には、チルトやテレスコピックと言ったハンドル位置の調整がついていることも多いので、
それらも利用して、自分の好みと合うところを探してください。


 とにかく基本は、

1. シートに深く腰掛けること、
2.そのときにハンドルの一番上を握って押しても、肘に余裕があり背もたれから肩が離れない。
3. そしてブレーキを思い切り踏んでも膝にすこし余裕がある、

この3点をおさえていれば、あとは好みです。

どうしても上手い位置が見つからないときは、

1.ハンドルとの位置
2.ブレーキペダルとの距離

この順番で優先して位置を決めてください。他のペダルとの位置や、シフトレバーとの距離は、
はっきり言ってどうでもいいです。なんとか操作できれば、大丈夫です。

 でも、ハンドルがちゃんと操作できなかったり、ブレーキが力一杯踏めなかったら、
大変なことになりますね。


 いかがですか?窮屈だと思われますか?


このポジションを教えると「こんな窮屈じゃ、運転できない!」とか、
「近すぎてハンドルが回せない!」とか言う人がいるんですが、今までが後ろ過ぎたんです。

このポジションで実際にハンドルを回してみてください。何の問題も無く回せますから。
 そして、実際に3ヶ月間、このポジションで運転してみてください。

慣れたらこのポジションは疲れないし、車の動きや反応も実によくわかるのに気がつくと思います。

 前のポジションに戻したら、手足も届かないし、車を正確に動かすこともできなくて、
怖くて運転できないと思うかもしれません。

 後ろ過ぎるポジションでもペダルやハンドルに手や足が届いていたのは
ちゃんと座っていなかったからなんですね。
お尻が前にずれて、猫背で運転していたから届いていたんです。


 この一見、窮屈なポジション、なぜ疲れないかと言うと、
ちゃんと座っていないポジションは、シートが十分に体を支えてくれないので、
加速したり、止まったり、曲がったりと言う時の体のぶれを
腕や足、腹筋、背筋などでグッと耐えていたんですね。

 きちっと座るとそれらの動きはシートがグッと受け止めてくれます。
だから、疲れにくいんですね。

 そして、万一ピンチになった時も、
ハンドルやペダルを最後まで確実に操作できるため危機を脱することができる可能性が高まります。

 ちゃんと座っていないと、急ハンドルを切った時などに体がずれてしまって
ハンドルをまともに操作できない、急ブレーキを踏んだら、体がズレてしまって、
パニックになってしまう...なんてことになるかもしれません。

 慣れてしまえば、いいことずくめのポジションなのでぜひ試してください。


そして、すべてのエレガントなドライビングに欠かせないのが、車との対話。
さらには、一体となることです。

 そのためにもこの正しいポジションは欠かせません。

車は、実にいろんな情報を運転している貴女に伝えて来ています。

今の路面の状態、
その路面とタイヤの関係、
そして車そのものの状態。


全て、あなたが車と接しているところ、つまり、
シート、ハンドル、ペダル から伝わってきます。

だから、これらにきちっと接した状態で、
できるだけ沢山の情報を感じ取ってあげるようにして下さい。


 きっと車の方も、そんな貴女に答えてくれると思いますよ。



自動車趣味から初心者まで、女性のための運転術〜運転美人になろう〜

「全く女の運転は」とか、
「うーん、キミには無理だと思うよ」

なんて、一般的に女性の運転は下手なものだと決めてかかっている
男性は多いものですよね。
 だいたいそう言っている男性自身の運転は?

私が、車で走っているとき周囲の人の運転を見ていて、はっきり言って
どうかと思う運転を見かけると、それは大抵男性です。

女性の運転は、たいていは丁寧で無理をしないので動きの予想がたてやすく
危ない思いをしないものです。

 男性の「どうかと思う運転」と言うのは乱暴な運転のことだけを言っているのではなく、
リズムの違う独りよがりの運転で次の動きがわからない
そんな運転のことも入っています。

 じゃあ、なぜ女性の運転は下手とされてしまうのでしょうか?

一つには男性の願望。

車の運転ぐらい女性よりも上手いと思っていたい。

よくスポーツカーに乗っている男性が、
「この車は運転が難しいから...女の子には無理だと思うよ」
なんて言うのを聞いたことありませんか?

あれ、うそですから。
あなたにも運転することぐらいなら簡単です。
フェラーリやポルシェだって、問題ありません。
「クラッチが弱いから。。。」
なんて男は言いますよね。
昔のポルシェなどはクラッチが弱かったのは確かです。

でも、それもレーシングスピードのような領域で走ったときに
下手をすると焼き付かせてしまうとか、
ずっと半クラッチで引きずって走ると言う異常なことをしたときと言った話で、
街中を流れに乗って走る程度なら何の問題もありません。
難しいのは、その車の性能の限界を引き出して走ることで、
そんなことはおそらく当の男性にもできないでしょう。

 もう一つの理由は、女性は平均的に速度が控えめなこと、
アクションを起すときに時間がかかること、
などがあると思います。
この辺りには、女性の筋力的な理由や空間認識力の問題があるようですが、
今の車は操作も軽くなっていますし、工夫で何とかなりそうです。
ともかく、そういうところを見て、男性は「女はトロイから」なんて言うわけですね。
男はそう思っていたいんです。

 でも、確かに周りからちょっとずつテンポが遅いと周りの車も走りにくいですし、
運転しているあなたも怖い思いをしますね。
これについては、その特性をわかって運転することで、
対処が可能です。
その方法については、もちろんご説明していきます。

 かっこ良く、安全に運転したいですよね。
教習所では教えてくれなかった実際の路上での安全運転のコツ、
速くかつ美しいエレガントな運転をあなたにしていただく、そのお手伝いができれば、幸せに思います。



1. 走り出す前に知っておきたいこと。

 トリセツを読もう。
 
 トリセツ、取扱説明書のことですね。
家電製品や、携帯電話、パソコン、
その他機械を買うと必ず付いてくるものですよね。

その機械の使い方や、使用する上での注意などが書いてあります。

 さて、車にもトリセツが付いていることはもちろん知っていますよね?
でも開いたこと無いんじゃないでしょうか?

車の操作系などはよく考えられていて、どの車でも大体同じになっていますから、
ポンと乗っても運転はできるんですね。
読まなくたって困らない、そう思いますよね。

 それでも、一度は目を通しておいてほしいんです。
一度読んで確かめておいてほしいのは、
メーターパネルの中の警告灯の意味、
そして、ボンネットの中の冷却水のタンク、
オイルレベルゲージ、
工具の場所、
スペアタイヤの外し方、
フューズボックスの位置などです。

 後はオーディオやカーナビの使い方もできれば見ておくといいでしょう。
運転中に操作がわからなくて注意がおろそかになると危険だからです。
最近の車のハイテク操作系や、無くても困らないものの使い方はどうでもいいです。

車に何か異常が起こったときにあわてないために自分の車のことをある程度知っておく必要があります。
そのために一度、取扱説明書を読んでください。